
特集
〈Basic Science〉プログラム細胞死と生体に対する意義
生体における細胞の生と死のバランスは、組織恒常性の維持や生体防御に不可欠である。近年、プログラム細胞死(PCD)は従来の二分法的理解を超え、精緻な分子機械により制御される多様な様式が同定された。さらに、非溶性の静かな細胞死と炎症を惹起する溶性細胞死は決して独立しておらず、高度な相互連結性をもって作動する宿主の生存戦略であることが判明している。本特集では、パノトーシス、フェロトーシス、キュプロトーシス、パータナトスなど、多義的な意義をもつPCDの最新知見を概説し、生体に対する意義を解き明かす。
〈Clinical Science〉IL‒6を治療標的とする疾患群
IL-6は炎症性サイトカインの代表であり、基礎研究から阻害薬の開発まで本邦を中心に進められてきた。多様な疾患でIL-6は重要な役割を担い、近年、各種疾患の治療薬としてIL-6阻害薬が次々と認可されている。本特集では、IL-6阻害薬が用いられる疾患群(キャッスルマン病・TAFRO症候群、関節リウマチ、成人発症Still病、大型血管炎、視神経脊髄炎スペクトラム障害)を取り上げる。表現型の異なる各疾患の異同を解析し、IL-6の生体内での役割や精緻なサイトカインネットワークへの理解を深める。
<目次>
■特集
〈Basic Science〉プログラム細胞死と生体に対する意義
・序(森田林平)
・PANoptosisと炎症制御(森脇健太)
・Ferroptosisを標的とした疾患治療(小櫻英翔 ほか)
・Cuproptosisとがん治療(谷口浩二)
・神経変性疾患の病因としての新規細胞死「パータナトス (parthanatos)」(松沢厚)
〈Clinical Science〉IL-6を治療標的とする疾患群
・序(佐藤浩二郎)
・キャッスルマン病・TAFRO 症候群とIL-6(古賀智裕)
・関節リウマチとIL-6(駒井俊彦)
・成人発症Still病とIL-6(鈴木浩司 ほか)
・大型血管炎へのIL-6阻害療法: 病態の基礎から遺伝子多型に基づく個別化医療へ(吉藤元)
・視神経脊髄炎スペクトラム障害とIL-6(市川大 ほか)
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■編集主幹
竹内 勤(埼玉医科大学学長/慶應義塾大学名誉教授)
■編集幹事
大石由美子(東京科学大学大学院医歯学総合研究科病態代謝解析学教授)
亀田 秀人(東邦大学医学部内科学講座膠原病学分野教授)
高柳 広(東京大学大学院医学系研究科免疫学教授)
廣畑 俊成(帝京大学医学部客員教授/帝京大学医学部ベーチェット病研究講座)
藤尾 圭志(東京大学大学院医学系研究科内科学専攻アレルギー・リウマチ学教授)