
【特集】
〈Basic Science〉感染症ワクチンによるオフターゲット効果の免疫学
ワクチンは本来、特定の病原体に対する免疫記憶を誘導するが、近年、標的以外の疾患や生体機能にも広範な影響を及ぼす「オフターゲット効果」が明らかになりつつある。この中心概念が「自然免疫記憶(訓練免疫)」であり、自然免疫細胞や造血幹細胞が過去の刺激を記憶し、未知の刺激に増強された応答を示す現象を指す。本特集では、自然免疫記憶の誘導機構、各種免疫細胞(ILC、NKT細胞など)の機能、心疾患や神経・免疫連関への影響を概説し、感染症学の枠を超える新しい免疫学の潮流を多角的に俯瞰する。
〈Clinical Science〉膠原病の分子標的治療における“Great Debate”
膠原病領域では新規分子標的薬の承認が相次ぎ、多様な選択肢から最適な治療を判断する高度なスキルが求められている。一方で、実臨床にはガイドラインの推奨が分かれる場面や未解決の課題も多い。本特集では、これらの現在進行形の課題を“Great Debate”と題し、ループス腎炎、急速進行性間質性肺炎、成人発症Still病、ANCA関連血管炎、EGPAにおける治療選択の是非を専門家が徹底解説する。日々進化する分子標的治療の現状を整理し、困難な症例における治療選択の道標を提示する。
<目次>
■ 特集
〈Basic Science〉感染症ワクチンによるオフターゲット効果の免疫学
・序(石井健)
・ワクチンと自然免疫記憶(小檜山康司)
・ILCの自然免疫記憶・メモリー様機能(海老原敬)
・自然免疫記憶としてのメモリー NKT細胞(清水佳奈子 ほか)
・心疾患における自然免疫記憶(藤生克仁)
・神経免疫-代謝連関の多層的制御機構~細胞レベルから生体レベルまで~(泉真祐子 ほか)
〈Clinical Science〉膠原病の分子標的治療における“Great Debate”
・序(池田啓)
・新規発症ループス腎炎の治療戦略~初期治療における3剤併用の是非~(宮崎佑介 ほか)
・抗MDA5抗体陽性急速進行性間質性肺炎~標準治療抵抗例への次の一手は何か~(笹井恒雄 ほか)
・成人発症Still病の初期治療~生物学的製剤を最初から使用すべきか否か~(鈴木浩司 ほか)
・ANCA 関連血管炎~アバコパンによるグルココルチコイドフリー戦略の是非~(杉山隆広)
・重症好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)~初期治療におけるIL-5阻害薬とシクロホスファミドの選択~(田巻弘道)
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■編集主幹
竹内 勤(埼玉医科大学学長/慶應義塾大学名誉教授)
■編集幹事
大石由美子(東京科学大学大学院医歯学総合研究科病態代謝解析学教授)
亀田 秀人(東邦大学医学部内科学講座膠原病学分野教授)
高柳 広(東京大学大学院医学系研究科免疫学教授)
廣畑 俊成(帝京大学医学部客員教授/帝京大学医学部ベーチェット病研究講座)
藤尾 圭志(東京大学大学院医学系研究科内科学専攻アレルギー・リウマチ学教授)